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2015年03月30日 意匠の国際出願(ハーグ出願)について(2)
2 日本での取り扱い
日本を指定締約国とする国際出願は、日本の特許庁で審査され、審査をパスしたものが登録されます。
■ 審査の開始
国際登録され、国際公表された国際出願は、日本での意匠登録出願として扱われます。審査の開始は、国際公表の後ですが、それでは審査が遅延するので「秘密の写し」を受領して、国際公表前に審査に着手する予定です。
しかし、審査結果が出願人に通知される時期は、国際公表後です。
拒絶通報(最初の拒絶理由通知)は英語で作成され、WIPOに通知され、WIPOから出願人に通知されます。
拒絶通報に対する意見書は日本語で作成し、特許庁に提出します。その後のやりとりは、WIPOは介入せず、通常の国内出願と同様、特許庁と出願人の間で、日本語で行われます。
■ 意匠ごとの取り扱い
国際出願には複数の意匠を含めることが可能ですが、日本では意匠ごとにばらして、個別の出願番号が付与されます。審査は意匠ごとに行われ、登録査定、拒絶査定も意匠ごと、意匠権の設定も意匠ごとです。

3 留意点
日本から外国へ意匠登録出願をする際に、国際出願を選択するかどうか、留意点を以下に記します。

(1)無審査国への出願
無審査国への出願であれば、国際出願を利用することのデメリットは、国際公表されるまで権利が発生しない点以外、特に見当たりません。

(2)審査国への出願
審査国への出願においては、以下の点に留意する必要があります。従前通りの国ごとへ個別に出願することをお勧めします。
■ 国際公表
審査国では通常、登録され対象のみが公報に掲載されます。しかし、国際出願では登録前に国際公表され、意匠が公知となります。
国際登録簿には指定締約国別に、登録・拒絶が記載されるので、国際公表され対象が審査国で拒絶された場合、その情報を第三者が知ることになります。
■ 拒絶通報
拒絶通報は国際登録簿に記載されます。これは閲覧可能なので、審査国で拒絶された場合、拒絶の理由も第三者が知ることになります。
■ 図面の制約
国際出願では、出願意匠と他の物品とを組み合わせた図を記載することができません。例えば、一眼レフカメラのボディーの意匠の出願図面において、レンズを取り付けた状態の図面(使用状態の説明図)を記載することはできず、意匠の特徴が伝わりにくい場合があります。
■ 説明の制約
国際出願では、出願意匠の機能など、技術的な説明を記載することができません。

(3)日本を指定締約国とする出願
国際出願では、日本を指定締約国とすることも可能です。しかし、その場合、上記以外に以下のデメリットが生じます。
■ 出願時費用
通常の出願の場合、出願手数料は16,000円ですが、国際出願では5年分の登録料も出願時に納付するため、74,600円となります。意匠ごとにカウントされるので、10件の意匠を含む国際出願では、日本の指定手数料は746,000円となります。
拒絶された場合、請求により還付されますが、出願時の負担は多大です。
■ 関連意匠の出願
通常の出願の場合、本意匠の公報発行の前日まで関連意匠の出願ができます。しかし国際出願では、国際公表によって出願意匠が公知になるので、国際公表前までしか、関連意匠の出願はできません。
■ 秘密意匠
登録前に国際公表されるので、国際出願については「秘密意匠」は適用されません。

以上、意匠の国際出願について大枠を記しましたが、ご不明な点がありましたら遠慮なくお申し越しください。



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